子どもとゲーム、どう向き合う?ルール作りのヒント

夏休みに入り、「子どもが1日中ゲームばかりしていて心配…」という声もよく聞かれます。
ゲームは、勉強の息抜きになったり、友達との交流のきっかけになったりと、今や子どもにとっても大人にとっても身近な存在です。

ただし、ゲームへの依存が強くなりすぎると、学業や生活リズム、友人関係にも影響が出ることがあります。そのため、上手に距離をとりながら、適切に付き合っていくことが大切です。実際に、世界保健機関(WHO)の国際疾病分類(ICD-11)では、「ゲーム障害(Gaming Disorder)」が正式に疾患として登録されており、世界的にも注意が促されています。

今回は、子どもがゲームと健全に向き合っていくためのポイントをご紹介します。

1. 子どもと一緒に「ルール」を決める

つい、親が一方的に「今日は〇分まで!」と制限を決めたり、ゲーム機を取り上げてしまったりしがちですが、子ども自身が納得していないルールは、守るのが難しくなります。

そこで、平日・休日ごとのゲーム時間について、子どもと話し合ってルールを一緒に決めてみてください。
たとえば、「休日は6時間やりたい!」と言うかもしれませんが、そんな時は親子で話し合う貴重な機会です。もし普段から6時間プレイしているのであれば、最初は5時間30分など、少しだけ短くする「スモールステップ」がおすすめ。急に極端な時間に減らすのではなく、少しずつ調整していくことで、子どもも無理なく受け入れやすくなります。そして、決めたルールを守れたときは、しっかりと褒めてあげましょう。
また、くじ引きやじゃんけんでルールを決めるなど、ルール作りそのものを親子で楽しむ工夫をするのも良い方法です。

2. ゲーム以外の「楽しい時間」を増やす

子どもは、まだ人生経験が少ないため、世の中でゲームが唯一の楽しいことと感じやすいものです。だからこそ、ゲーム以外にも楽しいと感じられる体験を増やしていくことが大切です。たとえば、外で体を動かしたり、スポーツ・音楽・アートなどの活動に触れたりすることで、視野が広がり、ゲーム以外の世界にも興味が向いていきます。
単に習い事を増やすだけでなく、親子で過ごす時間を「楽しい時間」にしていくことも効果的です。家族で一緒に笑ったり、何かに取り組んだりする経験そのものが、ゲームに代わる楽しい、かつ大切な時間になります。楽しめることがゲーム以外にもできると、徐々にゲームの時間も減少していきます。

親子で一緒に楽しめ、親子の関係性を深められるアイテムとして、「はじめてのペーパープレイブック」や「ペーパープレイブック」、「フレームスケッチブック」、「ココどこ?にっぽん!(知育カードゲーム)」などがあります。

この記事を書いた人

松山東雲女子大学准教授

鏡原崇史氏

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広島大学大学院修了(博士〈教育学〉・公認心理師)。専門は発達心理学および特別支援教育。 療育施設で障がいのある子どもの支援に携わったのち、発達段階に応じた支援法や療育プログラムの開発に取り組む。 現在は松山東雲女子大学で保育士・幼稚園教諭養成の科目を担当しながら、保育所・幼稚園・こども園や小学校などを巡回し、 子どもたち一人ひとりの発達に即した助言や支援を行っている。 愛媛県特別支援教育専門家チーム委員、松前町子ども・子育て会議委員も務める。