意見を譲りがちな我が子。気を遣わせてるのかと不安です

Q. 親子で意見が違ったとき「ママがいいほうでいい」と譲りがち。自己主張しにくい?気を遣わせてる?と不安です。

A. 親子で信頼関係ができている証とも考えられます。同時に、本心を言えているか尋ねてみましょう。

「ママがいいほうでいい」と言って譲る場面が続くと、「自己主張できないのでは?」「気を遣っているのでは?」と心配になりますよね。ただ、この姿には必ずしも「自己主張の弱さ」だけが表れているわけではありません。

子どもが親に選択を委ねることは、信頼関係の表れでもあります。「ママが決めるなら安心」と感じているからこそ譲っていると考えられます。そのため、親子間での愛着形成が十分になされている証でもあるため、決して悪いことではありません。

一方で、「ママに嫌われたくない」や「間違いたくない」という気持ちから選択を委ねている可能性も考えられます。そのため、後から「本当はどっちがよかった?」と尋ね、本当の気持ちを言える機会を設けてみてください。本当の気持ちがお母さんと違う意見だった時は、「教えてくれてありがとう」「あなたが選んだことを尊重するよ」と伝え、本心を言ったことが肯定的な経験につながるようにしましょう。「自己主張しても受け入れてもらえる」という経験を繰り返すことで、自信に繋がり、徐々に自分の意見を言えるようになっていきます。

この記事を書いた人

松山東雲女子大学准教授

鏡原崇史氏

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広島大学大学院修了(博士〈教育学〉・公認心理師)。専門は発達心理学および特別支援教育。 療育施設で障がいのある子どもの支援に携わったのち、発達段階に応じた支援法や療育プログラムの開発に取り組む。 現在は松山東雲女子大学で保育士・幼稚園教諭養成の科目を担当しながら、保育所・幼稚園・こども園や小学校などを巡回し、 子どもたち一人ひとりの発達に即した助言や支援を行っている。 愛媛県特別支援教育専門家チーム委員、松前町子ども・子育て会議委員も務める。