休日はデジタル漬けになりがちで心配です

Q. 休日は子どもの好きなことをさせようと思うと、動画やゲームなどデジタル漬けになりがちで心配です。

A. まず大人がリアルの世界の面白さを一緒に体験させてあげることが大切

動画やゲームは、「どうすれば夢中になってもらえるか」を追求して作られているため、子どもがのめり込むのは当然のこととも言えます。特に幼児や小学生は、人生経験がまだ少なく、現実世界で楽しめることの選択肢をあまり持っていません。そのため、身近に楽しいと感じる体験がなければ、手軽で刺激的なデジタルの世界に偏りがちになります。

このような場合、まず大人がリアルの世界の面白さを一緒に体験させてあげることが大切です。スポーツや自然体験、工作、音楽など、子どもが自分の手や体を使って「できた」「楽しい」と感じられるような機会を日常の中に取り入れてみてください。釣りやキャンプに家族で行くのでも、家で一緒に絵を描いたりするのでも構いません。親子で一緒に取り組むことも、現実の世界への関心を育てる大きなきっかけになります。

ただし、動画やゲームがすべて悪いというわけではありません。近年では、動画制作やeスポーツなどが将来の職業になることもあります。もしお子さんが中学生や高校生で、興味を深めているのであれば、専門的に学べるスクールやプログラムなどの情報を集めて、興味を活かす道を広げてあげるのも一つの方法です。

大人でも、「今の仕事が自分に合っているのだろうか」と悩んだり、「夢中になれる趣味がない」と感じたりすることがあります。人生経験を積んだ大人でさえそうなのですから、子どもが自分に合ったものを見つけるのは、決して簡単なことではありません。だからこそ、焦らず、ゆっくり、親として多様な経験の機会を提供し、子ども自身が自分で、本当の意味での楽しめること、好きなことを見つけられるよう見守っていきましょう。

親子で一緒に楽しみながら芸術や文化に触れられるアイテムとして、「はじめてのペーパープレイブック」や「ペーパープレイブック」、「フレームスケッチブック」、「ココどこ?にっぽん!(知育カードゲーム)」などがあります。お休みの日などに、ぜひお子さんと一緒に遊びながら、思い出に残る時間を過ごしてみてください。

この記事を書いた人

松山東雲女子大学准教授

鏡原崇史氏

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広島大学大学院修了(博士〈教育学〉・公認心理師)。専門は発達心理学および特別支援教育。 療育施設で障がいのある子どもの支援に携わったのち、発達段階に応じた支援法や療育プログラムの開発に取り組む。 現在は松山東雲女子大学で保育士・幼稚園教諭養成の科目を担当しながら、保育所・幼稚園・こども園や小学校などを巡回し、 子どもたち一人ひとりの発達に即した助言や支援を行っている。 愛媛県特別支援教育専門家チーム委員、松前町子ども・子育て会議委員も務める。