そのほめ方、逆効果かも?子どもが本当に伸びるほめ方とは

 近年、「ほめる子育て」が注目されています。私自身も、学校教育や家庭での子育てについての研修や講演の中で、ほめることの大切さをお伝えする機会が多くあります。しかし、ほめ方によっては、子どものやる気や成長を妨げてしまうこともあります。だからこそ、「どうほめるか」を正しく理解することが大切です。

 よく見られるのが、「100点すごいね」「クラスで1番でえらいね」といった結果中心のほめ方です。このような声かけは一時的には子どもを喜ばせますが、それが続くと「ほめられること」が目的になりやすくなります。心理学ではこれを外発的動機づけといいます。外発的動機づけ自体は決して悪いものではなく、行動のきっかけづくりや習慣化の初期段階では有効です。しかし、それに偏りすぎると、評価されないと動けない、失敗を避けるといった傾向につながることがあります。

 一方で、子どもの主体的な成長を支えるのは、内発的動機づけ、つまり「やってみたい」「できるようになりたい」という内側からの意欲です。この力を育てるためには、「結果」ではなく「過程」に目を向けたほめ方が重要です。例えば、「最後まであきらめずに取り組んでいたね」「自分なりの工夫をしていたね」といった声かけは、努力や工夫そのものに価値があることを伝えます。

 ほめることは目的ではなく、あくまで子どもの成長を支える手段です。「何をどうほめるか」を少し意識するだけで、子どものやる気や主体性は大きく変わっていきます。日々の関わりの中で、子どもの内面に目を向けた声かけを大切にしていきたいですね。

この記事を書いた人

松山東雲女子大学准教授

鏡原崇史氏

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広島大学大学院修了(博士〈教育学〉・公認心理師)。専門は発達心理学および特別支援教育。 療育施設で障がいのある子どもの支援に携わったのち、発達段階に応じた支援法や療育プログラムの開発に取り組む。 現在は松山東雲女子大学で保育士・幼稚園教諭養成の科目を担当しながら、保育所・幼稚園・こども園や小学校などを巡回し、 子どもたち一人ひとりの発達に即した助言や支援を行っている。 愛媛県特別支援教育専門家チーム委員、松前町子ども・子育て会議委員も務める。