苦手なことを克服すべき?

Q. 苦手なことを克服させたいと思いがち。好きなこと・得意なことだけやらせたのでいいですか?

A. 順番が大事! まずは得意なことで成功体験を積んでいきましょう。

 その人の強みは、苦手なことより、好きなことや得意なことから生まれてくることが多いです。そのため、好きなことに継続的に取り組むことはとても大切なことです。一方で、長い人生の中で、必ず苦手なことを乗り越えなければならない瞬間はきます。そんな時のために、苦手なことにも向かっていける力を身につけておく必要があります。

 人は、何かに取り組もうとするとき、その課題に取り組んで楽しいか、自分にとって取り組む価値があるか、役立つのか、どれくらいの負担(時間、精神的努力)を要するのかなどを考慮し、取り組むかどうかを決めています。苦手な課題であれば、楽しくなく、多くの努力を要することになりますので、子どもが逃げたくなるのは当然の反応ですよね? そんなときに「難しいけど頑張ってみよう」、「失敗しても次がある」と思いながら取り組める心理は、過去の成功体験にあります。好きなこと・得意なことに取り組んで成功体験を積み重ねた子は、自己肯定感が高く、難しいことや新しいことにも、自らチャレンジしようとします。反対に、苦手なことだけに日々取り組まされている子は、失敗経験が多いため自己肯定感は低く、失敗を恐れ、新しいことから逃げようとします。

 大切なのは、取り組む順番とバランスです。まずは、好きなこと・得意なことで十分な成功体験を積んだ後、少しの苦手なことに取り組むことから始めてみてください。また、今やっていることが、どのように役立つのかを丁寧に説明していくことも大切です。