失敗したときの立ち直り方を教えるポイントは?

Q. 失敗したときの立ち直り方を教えるポイントは?

A. 失敗する機会を奪わないようにしながら、失敗したときには寄り添ってあげましょう。

 失敗した経験が少ない人ほど、挫折から立ち直れない人が多いです。親にとって、子どもが失敗し、悲しむ姿は見たくないものですが、最も気をつけなければならないのは、子どもが失敗しないよう、目の前の障害物を親が全て取り除いてしまうことです。発達的には、失敗は非常に重要な意味を持ち、失敗から立ち直る経験を積み重ねることで、立ち直る力は強化されていきます。この立ち直る力を、専門的にはレジリエンスと言い、レジリエンスが高い人は、失敗した経験を失敗では終わらせずに、成功に向けて生かしていくことができます。

 例えば、運転免許を取得するときは、教習所という安全な環境の中で、誰もが脱輪したり、ぶつけそうになったり、多くの失敗を経験しながら、そして教官に励まされながら運転技術を高めていきますよね? いきなり一人で路上に出て事故を起こしてしまっては、怖くて二度と運転することはできなくなるでしょう。これと同じで、子どもは、家庭や学校といった親や先生がいる安全な環境の中で失敗を経験し、そしてその辛さに共感してもらうという経験を積むことで、一人でも立ち直れる力を身につけていきます。

 注意しておかなければならないのは、人は失敗し続けると、自己肯定感や主体性が低下してしまうことです。このような状態を引き起こさないためにも、失敗した際に寄り添い、十分な成功体験を経験できる環境づくりをすることが重要です。