【FÖR Children】art venture ehime fes 2025「森のかけらミュージアム」活動レポート

© art venture ehime fes 2025 / FÖRNE
フォルネは今年、愛媛県と東京藝術大学が共同で行うアートコミュニケーションプロジェクト「art venture ehime fes 2025」にアーティストとして参加しました。
このプロジェクトは、アート(文化芸術)を通じて人と地域がつながり、新たな価値を生み出しながら、"愛媛の未来を創造する"ことを目指す取り組みです。
その中で、私たちが応募した企画「森のかけらミュージアム」は、300件以上の応募の中から選出されました。開催までの歩みを振り返りながら、記録をお届けします。
何度も話し合いを重ねた企画段階
このプロジェクトへの応募を決めたのは、いくつかの想いが重なったからでした。
開催地のひとつである砥部エリアはフォルネにとって運営拠点でもあり、ゆかりのある大切な場所。また、普段行っているワークショップではできない規模のことに取り組めるチャンスでもありました。そして何より、アートを通じて子どもたちに届けたい体験があったこと。これらが重なり、「やってみよう」と一歩を踏み出すことにしました。
企画づくりの軸に据えたのは、「フォルネだからこそ届けられる体験とはどんなものか」という問い。この軸を中心に、スタッフチームで何度も話し合い、案を練っていきます。
無事に企画を提出したあと、6月下旬に一次審査通過の知らせを受けた瞬間は、喜びと同時に身が引き締まるような思いが広がりました。
その後、7月から8月にかけて現地調査のために訪れたのが今回の会場であるえひめこどもの城です。

ワークショップを行う創作工房、ハーブ園周辺の環境や樹木の種類をはじめ、そこから見える景色、感じられる光や風の流れ……。
子どもたちがどのように自然と出合うかを想像しながら、リサーチを重ねました。

© art venture ehime fes 2025 / FÖRNE
「アートフレームに"森のかけら"を表現してミュージアムをつくる」という方向性は定まっていたため、実際に試作のフレーム(ディレクター伊場父作)を持ち込み、あれやこれやと実験。
小枝や葉っぱを貼ったり、フレーム越しに風景を眺めたり、絵の具で模様を描いたりと、子どもたちの目線になって試していきます。
視界が広く開け、自然があふれる場所で過ごした時間は、企画のイメージをよりリアルにしてくれました。
愛媛県庁でのプレゼンテーション

現地調査を経て、8月には愛媛県庁でのプレゼンテーションに臨みました。
中村時広愛媛県知事、東京藝術大学学長の日比野克彦さんや審査員の方々を前に、「森のかけらミュージアム」に込めた想い、子どもたちへ届けたい体験を、スライドに言葉を添えながら伝えていきます。
審査員の方からの質問も多く、とても緊張感のある場ではありましたが、その対話を通して、企画の本質がよりクリアになっていく手応えがありました。

こちらはプレゼン発表後に県庁で撮った記念写真。場所の雰囲気も相まって、「まるで内閣発足!」と盛り上がった一枚(笑)。
結果を待つ数日を経て、メールで届いた採択決定の知らせ。
「いよいよ始まる!」という覚悟とともに、プロジェクトは本格始動しました。
ワークショップに向けて、準備は大詰めに
8月後半から10月にかけて、本番へ向けた準備が加速していきます。

タイムスケジュールの調整に、当日配布するMAPや採取カゴなどの道具の製作。サポートしてくださるひめラー(アートコミュニケータ)さんや松山東雲女子大学のボランティアスタッフさんとの打ち合わせなど、チーム内で進捗を確認しながら、ひとつずつ詰めていきました。

© art venture ehime fes 2025 / FÖRNE
製作エリアの導線はどうするか。
アートフレームはどのように展示するか。
どうすれば子どもたち同士のコミュニケーションが自然と生まれるか。
会場へも足を運び、子どもたちの動きを想像しながら話し合いを重ね、少しずつ、かたちが見えてきました。

スタッフの子どもが学校からパンフレットを持ち帰ったり、地元のテレビ局から取材のご依頼をいただいたり。周囲の反応に触れるたびに、期待も日に日に高まっていきます。
フェス開幕、そして本番へ

フェスが開幕した10月18日のオープニングセレモニー。
会場となったとべ動物園には全国から多くの関係者・来場者が集い、フェスの始まりを祝います。ディレクター伊場もステージに登壇し、ワークショップを通して届けたい想いを言葉にして伝えました。

そして、いよいよ「森のかけらミュージアム」のワークショップ本番の日がやってきました。
10月26日と11月3日の2日間で、計3回開催。各回20名の定員は、受付開始から数日で満席となる回もありました。
自然のなかで生まれた子どもたちの表現

葉っぱ、小枝、ハーブ、木の実、花……。
自然のなかを歩いて自分で見つけた"かけら"は、みんなそれぞれ違います。
採取したあとは、選んだ"かけら"を広げてじっくり観察したり、参加者同士で見せ合ったりする姿も見られました。
迷いなく直感で選ぶ子もいれば、「自分はここが好き」と理由を話してくれる子も。

ここから、作品づくりがスタート。
子どもたちは驚くほどの集中力で製作に没頭していきます。

枝を力強く組み合わせる子。
葉っぱやお花を重ね、色や形を楽しむ子。
色とりどりの絵の具で、思いのままに模様を描き加える子。

ワークショップで生まれた全60点の作品は、どれも子ども一人ひとりの個性が光る、唯一無二の仕上がりです。

自然と向き合うなかで生まれた表現の豊かさを、子どもたち本人だけでなく、保護者の皆さん、ボランティアスタッフの皆さん、そしてフォルネスタッフ全員で共有できた特別な2日間となりました。
これからも大切にしたいこと

今回の取り組みを通して、自然のなかで育まれる感覚は、とても自由で、のびやかで、そして力強いものだと改めて感じました。
フォルネはこれからも、「つくる楽しさ」や「感じる豊かさ」を子どもたちの日常へ届ける活動を続けていきます。
この機会をつくってくださったart venture ehime fes 事務局の皆さま、えひめこどもの城の皆さま、そして支えてくださったすべての皆さまへ、心より感謝申し上げます。
フォルネ スタッフ一同